Tantanblog

たんたんの子育てノウハウ、社会人として大切なことを紹介します。

断熱材の研究者が断熱材の選び方を語る【家を建てる時に考えて欲しい事】

どうもたんたんです。

たんたんは断熱材の研究をしています。

本業の事はブログでは語りたく無かったのですが、断熱材の選び方を間違えてほしくないので書きたいと思います。

  • 実際に住んでみたら暖房の効きが悪い。
  • 年々電気代が増えてくる。
  • 断熱材の種類が多くて何が良いかわからない。

などの問題を抱えていないですか?

また、断熱性能がしっかりしていないとヒートショックなどによってあなたの命が危険にさらされる事もあります。

ヒートショックとは暖かい場所から冷たい場所に移動した際に、温度差によって身体に負荷がかかってしまう事です。

最悪の場合には心臓発作などで命を落としてしまう可能性もあります。

命を守るためにも断熱性能がしっかりした住宅に住むのは重要です。

記事の構成は以下の通りです。

断熱材の種類

繊維系断熱材

住宅用の断熱材を選択するときに候補として上がってくるのは、繊維系断熱材です。シェアは70%程度です。

繊維系断熱材には、グラスウール、ロックウールなどかあります。

グラスウール

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グラスウールはガラスを高温で溶解させ繊維状に加工した物です。フェルト状に加工したものを積層して袋に入れる事によって製品化しています。

ロックウール

ロックウールは玄武岩などの岩石を溶融させて、遠心力で繊維状にした物です。

グラスウールもロックウールも安価で工期も短く、施工もはめこむだけで出来るので選ばれています。
メリット

  • 価格が安い
  • 施工期間が短くて済む
  • 業者を選ばない

デメリット

  • 押し潰すと断熱性能が変わる。
  • 長期で垂れてきて隙間が出来る。
  • 湿気に弱い(グラウスウールのみ)。

繊維系断熱材は、安くて短工期で済み。専門の業者を必要としないのが特徴です。
たんたんの実家は築50年の戸建てですが、断熱があまりにも悪いので父親と二人でグラスウールのロールを購入して屋根裏に敷き詰めました。
おかげで多少は改善されました。

ただ、繊維系の断熱材は複雑な構造に弱い、湿気に弱いという弱点があります。
写真を見ていただくとわかるように繊維系断熱材は袋に入った状態で施工されます。
何もない壁であれば綺麗に収まるのですが、梁の側やコンセント回りなど複雑な構造になると、切っていれる必要が出てきてどうしても隙間が出来てしまいます。

また日本は繊維系断熱材の弱点である湿気が多い国です。湿気にやられてしまうと断熱性能が低下してしまいますので、年々性能が低下してしまいます。
もちろん、防湿層をもうけてあるのですが、複雑な構造にいれるために切ったりして雑な施工をすると、せっかくの防湿層が途切れてしまい湿気にやられてしまいます。しっかりとした工務店であればこの様なことは起こらないと思いますが、一生の買物でケチると不運なことになるかもしれません。

発泡プラスチック系

発泡プラスチック系には硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォームが有ります。イメージとしては発泡スチロールを思い浮かべていただくと分かりやすいと思います。発泡スチロールの箱に氷を入れておくとなかなか溶けませんよね。

硬質ウレタンフォーム

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硬質ウレタンフォームはポリオールとイソシアネートとを反応させて作られるプラスチックです。マットレスにも使われていますね。マットレスに使われているのは軟質ウレタンフォームですが、それを固くしたものが硬質ウレタンフォームです。硬質ウレタンフォームはボードなどの工場製造品と現場発泡の建築現場でフォームを作る方法の2つがあります。

メリット

  • 断熱性能に優れる。
  • 現場発泡法であれば複雑な構造でも隙間が出来ない。
  • 変形しにくい。

デメリット

  • 専門の施工業者が必要である。
  • 高価である。

フェノールフォーム

フェノールフォームはフェノール樹脂を発泡させて得られる断熱材です。繊維系断熱材、発泡プラスチック系断熱材の中で一番性能が高い断熱材です。また、JIS規格(日本工業会規格)に基づいた測定法によって長期性能を評価している断熱材でもあります。25年経ってもほとんど断熱性能が変化しないという結果が出ています。

メリット

  • 高断熱性能を有する。
  • 長期間性能が劣化しない。

デメリット

  • 高価である。
  • ボード品のため切り出した際に隙間ができる可能性がある。

ポリスチレンフォーム

ポリスチレンフォームはポリスチレンを発泡させて作られている断熱材です。ポリスチレンフォームは南極の昭和基地にも使用されている断熱材です。南極で使われるという事だけで暖かそうな感じがしますよね。南極で使われていることからも分かる様に湿度に強く、強度もありますので住宅の壁から天井まで使われる断熱材です。

メリット

  • 高断熱性能を有する。
  • 湿度に強い。

デメリット

  • 高価である。
  • ボード品のため切り出した際に隙間が出来る可能性がある。

断熱性能の見方

断熱性能は熱伝導率もしくは熱抵抗値で示されます。

熱伝導率(λ)はW/m・Kという単位で示されます。

一般的なフェノールフォーム(ネオマフォーム)の熱伝導率は0.020W/m・Kです。
一般的なグラスウール(16K)の熱伝導率は0.045W/m・Kです。

断熱性能の数値だけを比べるとフェノールフォームの方が断熱性能が良いことが判ります。

しかしながら実際に家を建てる際には断熱材の厚みを考える必要があります。

厚みを考慮に入れた場合には熱抵抗値という値で評価します。

R(熱抵抗値)= d(断熱材の厚み)÷ λ(熱伝導率)

例えばフェノールフォームを50mm使用した場合には

熱抵抗値(R)= 50 mm ÷ 0.020 W/m・K = 2.5 m2・K/Wとなります。

またグラスウールの場合は
 
熱抵抗値(R)= 112.5 mm ÷ 0.045 W/m・K = 2.5 m2・K/Wとなります。

フェノールフォームでもグラスウールでも同じ熱抵抗値になりましたね。

つまり厚みを変えれば同じ 断熱性能を示すことになります。

従って断熱材を選ぶ際の基準は断熱性能で考えない様にして下さい。

断熱材を選ぶ際の基準

住宅の断熱はますます高性能になり高断熱住宅の方がローンなどの金利で優遇される様になります。
ZEH(ネット・ゼロエネルギー・ハウス)といって家全体でエネルギー収支がゼロになるような家を建てましょうという方針も打ち出されています。

たんたんは断熱材は断熱性能で選ぶなといいました。

「断熱性能で選ばなかったら何で選べば良いのか?」となりますよね。

たんたんが考える基準は以下の3つです。

  • 部屋の広さが変わる。(断熱材が厚くても設計の壁の中に収まるか?)
  • コストを考えて選択する。(部屋が少し広くなるけど、価格が高くなる。)
  • 長期的に断熱性能が維持できるか(施工業者の腕に影響を受けます。)


この記事では繊維系断熱材、発泡プラスチック系断熱材のメリット、デメリット、断熱性能を挙げてきました。

基準の紹介はしましたが、あなたの疑問はどれを選べば良いのか❓だと思います。

どの断熱材も適切に使用されれば性能を発揮します。

住宅メーカーで家を購入される。
工務店で住宅メーカーの家を建てる。

のどちらかだと思うのですが。

最終的には誰が断熱材の施工をするのかで決まります。

専門の業者にもレベルがあります。

たまに価格を安く見積もってくる業者がいますが。

価格=腕だと思って下さい。

職人が施工しますので腕があれば安くは受けないはずです。

腕が無い、仕事が取れないので安く請けます。

数社見積もりを取れば相場がわかります。

相場がわかれば、明かに価格が安い業者はおかしいと思いますよね。
一生の買い物です。
ちょっとケチって後で後悔しない様にして下さい。


たんたんが何を選ぶかというと、自分が開発している断熱材を施工します。

もし知りたい場合にはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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