技術職が営業を経験すると
技術職が営業職を経験した場合に経験することによって得られるメリットと経験している間に受けるデメリットがあります。
目次
メリット
デメリット結論から言うとメリットの方が大きいです。
それぞれについて説明していきます。
メリット
軸が決まる。
技術職・・・研究開発職をメインで考えています。
研究開発職では新製品の開発検討や製品の改良が主業務となっています。
開発・改良業務にて何を考えて業務を行うかと言うことです。
基本的には営業からの要望(客先からの要望)を基に業務を実施するのが主ですね。
現在はシーズ志向よりもニーズ志向で研究開発を行なっている企業が主だと思います。
ニーズ志向では客先からの要望は重要な開発方針を決めるための重要な意見です。
しかしながら、客先からの意見を営業の『ワンクッション』を挟んでしまうことによって、貴重な客先の意見がボヤけてしまう可能性があります。
営業職が技術に精通していればボヤけてしまうことは無いですが、精通している営業は限られていると思います。
研究開発職が客先のニーズを直接受け取ることにより客先の要望する製品を作り上げる軸が決まります。
スピードが上がる。
軸が決まる。
つまり目標が明確になるという事です。
目標が明確になれば研究開発の方針が固まりブレがなくなります。
多数の営業から要望が言われている場合に、複数の客先からの情報がボヤけた状態で伝えられます。
ボヤけた要望で方針を組み上げるとボヤけてしまいます。
もちろん開発目標もボヤけてしまいます。
明確な目標が無いので目標に近づいているかの判断もしづらくなり完成が分からなくなります。
軸が決まり、目標が明確になっていれば完成度の把握が容易になり、進捗率の報告もしやすくなります。
客目線での開発が可能になる。
開発を行っていて良く有るのが、客の考える良い性能と、技術職の考える良い性能のギャップが大きい事です。
客の言う良い性能とは、
コストパフォーマンスや、使いやすさも考えられた性能の事を示します。
つまり、価格が安くて使いやすくて高性能である製品。
技術職の考える良い性能は、高価で多少の不便はあってもスペックが高いもの。
つまり、使える人が使えば最高性能を発揮する高価格品
皆さんが求める良いものは何ですか⁉️
もちろん、価格が安くて使いやすくて高性能な製品ですよね。
世の中では価格が安くて使いやすくて高性能な製品が売れていきます。
『そんなのわかってる‼️』と言われそうですが。
技術職を長年やると麻痺してきます。
麻痺しないようにするために営業経験を積ませます。
営業経験を積むことによって、客先と直に話が出来るような環境に身に付けることができ、麻痺しなくなります。
従って客先の目線での開発を考えることが出来ます。
専門外だと簡単に出来るのに、専門になると出来なくなります。
デメリット
デメリットは3つあります。が、どれも解決可能です。
研究に取り組む時間が削られる。
実際に出張にいくとなると、研究に取り組む時間が削られます。
客先が地元であれば取り組む時間が削られるのは数時間で済みます。
しかし、北海道や福岡県など遠方であれば話が変わってきます。(愛知基準で考えています。)
前日入りして客先へ訪問した後、帰宅となると2日はかかります。
一週間のうち2日削られると、その週は実験がほとんど出来なくなりますね。
月曜日~火曜日や木曜日~金曜日と週の前半、後半に入ればまだましですが。
火曜日~水曜日や水曜日~木曜日となると実験内容が限られてしまいます。
限られた時間で実験をするには無駄な実験をしないことです。
つまり、実験する内容を明確にしておくこと。
繋がってきました❓
出張に行くことで実験時間は減りますが、実験内容も減ります。
つまり、問題ありません。
無駄な実験はしなくなります。
技術職が出張に行く分経費がかかる。
北海道に一回行くと10万円程度かかります。
福岡だと、5万円程度かかります。
あなたは、一回の出張でどのくらいの経費がかかりますか❓
たんたんの場合には、客先の予定が変更になる可能性があるので変更可能な予定を組みます。
航空券を変更可するとLCCなどが使えず航空券は高くなります。
そのため、経費の圧縮のため株主優待券などを利用して航空券を取ります。
株主優待券を使用することで、価格が50%OFFになります。
手数料がかかるのでもう少しは高くなりますが、公式で買うよりも安くなります。
また、技術職の研究スピードが向上し、コスト意識が付けば製品の利益率も改善します。
つまり、かかった経費は後から回収できます。
営業職抜きで話が進む環境になってしまう。
実はデメリットの中でも大きな影響を与えるのが、営業職抜きで話が進む環境になってしまう事です。
客先は質問をして『ズバッ』とした回答を得たい。
『ズバッ』とした回答を返してくれるのは営業職ではなく技術職です。
また、開発、改良要望に答えてくれるのも技術職です。
営業職が注文窓口だけになってしまいます。
要望や質問がすべて技術職に来るようになってしまうと出張に行ってなくても実験の時間が削られてしまいます。
要望や質問がすべて技術職にきてしまわない様にするには、営業職に技術を経験させておくことが大切です。
営業職に技術を経験させておくことで、技術職の難しい話を分かりやすくかみ砕いて説明する能力に長けています。
技術職の話は難しいが、営業職に聞けば分かりやすく教えてくれる状況を作り出すことです。
たんたんの経験談
たんたんは技術職ですが、5年前から客先訪問に行ってます。
注文は受けませんので営業職では無いです。
職種を別けるのであれば技術営業職となってます。
担当エリアは全国です。
たんたんの部署の客先は日本全国にあります。
北は北海道から南は沖縄や奄美大島まで行ったことがあります。
良く日本が狭く感じると言われます。
2年間、客先をガンガン回っていました。
北海道にいた次の日には宮崎に入ってたりしました。
客先をガンガン回ったおかげで、製品の使用環境から客先の要望など多くの経験をすることが出来ました。
製品の使用環境から客先の要望などを製品開発に活かすことができ、業界での知名度を上げることが出来ました。
部署の売り上げが5億円ほど向上する貢献も出来ています。
売り上げ増加の貢献から勤続7年目にしてリーダーに抜擢されています。
年収も300万円ほど増えています。
また、たんたんの反省点としては営業職抜きで話が進むような環境になってしまったことです。
客先から直で依頼が来るので営業職が内容を把握できなくなってしまいました。
営業職抜きで話が進むような環境になってしまったのを改善するために社内勉強会や営業支援などの業務を行いました。
あなたは、営業職抜きで話が進むような環境にしてしまわないように気をつけて下さい。
結論:技術職が営業を経験することによって
- 研究開発の軸が決まる。
- 軸が決まることによってスピードが上がる。
- 客先の要望などを直接身に受けるため客目線での研究開発ができるようになる。
最後に、これは経験すれば誰もがなれることではありません。
経験して実行した人だけが出来ることです。
営業を経験しても活かせない人は多くいます。
逆に技術を経験した営業職も活かせない人がいます。
『知ってる』と『やれる』は別物です。