研究開発部門を担当しているとこういった悩みが出てきませんか?
製品が出来上がってからこのような問題が出てきて、良いものはできたが利益が上がらない。
他社品の方が安くて勝ち目がないなど
せっかく研究開発費を投じたのに成果が得られなかったなどの経験はないでしょうか
今日はこのような問題の原因と解決方法を紹介したいと思います。
コストの7割は研究開発段階で決まる。
そもそも、製品開発の段階でコスとの7割は決定してしまうという法則があります。
製品が完成した段階では制御可能なコストは5%程度となってしまいます。
つまり、完成した製品のコストダウンはほぼ無理です。
研究開発部員にコスト意識がないと商品開発はできても、できた商品は売れないものとなってしまいます。
研究開発員『良いもの出来ました~』
営業『これなら売れる』
営業『他社品は500円だが、これは?』
研究開発員『性能が良いので高いです。』
営業『500円で売ったら』
研究開発員『んー、計算してないのでわかりません』
営業『計算してみて』
研究開発員『購買部に聞いてください』
営業『購買部、この製品いくらになる?』
購買部『800円ですね』
営業『売れない…』
製品が世の中に他の代替品がなければ高い開発品でも売れます。
ただ、そのような製品開発はなかなか無いですよね。
大体が、競合他社より『安てく良いもの』の開発が多いですよね。
研究開発員にコスト意識があればこんな事態にはなりませんね。
研究開発員にコスト意識を定着させるには?
コスト意識を定着させるためには、給料の時給換算から始めると良いです。
この計算をすることで、業務効率も上がります。
例えば基本給が20万の場合
20万÷20日÷8時間=1250円
時給1250円ですね。
これは、人件費なので製品開発段階では
あまり考慮には入っていませんが、
作業効率を考えさせるには有効です。
時給がわかったところで、一回の実験にいくらかかっているか考えさせましょう。
材料費+人件費を計算します。
材料費だけで一回、5,000円とかかかっていることもざらですね。
設備等を導入した場合は、それの購入費等もコストに載ってきます。
自分の場合は部下に一回の実験に5,000円かかっているのだから、結果に関わらず報告書を作成するように指示しました。
毎回いくらかかっているかを意識することで、作業効率も上がりロスを減らそうと意識するようにもなります。
自分のお金なら5,000円使ったら何かを得ようとしますよね。
身近なお金の単位になると意識しやすくなります。
製品コストにどうやって落とし込んだか。
自分の場合には、研究開発員は原価計算などのシステムにログインする権限がないので、原材料の価格を把握することが出来ませんでした。
そこで、システムにログインできなくても計算できるようにエクセルを使用して計算書を作成しました。
そのエクセルに原材料の単価を購買部に入力してもらいました。
原材料の配合量を記入すると自動でコストが出てきます。
営業から販売単価を入力してもらい、利益率も一度で出るようにしました。
こうしておくことで、製品を製造する段階には利益率も把握することができ、コスト意識を高めることが出来ました。
新製品の開発においてもこのシートを作成し、配合などが変わるごとに算出してコストの最適化を実施しています。